ハナウタカジツ

ハナウタカジツってこんな人
vol. 9

私たち家族について様々な人に紹介してもらうコーナーです。さて、今回はどんな人に紹介していただけるのでしょうか?

片山 和洋さんって

善のパワーに満ち溢れた人
熊本の紹介者

株式会社Ciamo

古賀 碧さん

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片山さんとの出逢いは、私の突撃取材がキッカケです(笑) いきなり電話をかけて「お話を聞かせてください」とお願いしたにも関わらず、ものすごく親切に農家の現状や片山さんご自身の夢を聞かせてくださって…。なんていい人なの!? と感動したのを覚えています。感動といえば、いただいた金柑もびっくりするほど美味しくて。今では家族の分もまとめてお取り寄せしています。片山さんは、いつも前向きで新しいことにチャレンジしているイメージ。周囲の人にも元気やパワーを分けてくれる人だと思います。

今回の紹介者「古賀 碧」さんってどんな人?

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独自のアイデアで大学発ベンチャーに挑戦

崇城大学の修士課程で学びながら、大学発ベンチャーCiamoの代表を務める古賀碧さん。2018年4月23日には株式会社として登記も実現し、いよいよ本格的な事業として走り出したところです。その主な研究内容は「光合成細菌」。あまり聞き慣れない名前ですが、実は身近な“あるモノ”を餌に増やすことができるのだとか。「私たちは、球磨焼酎を造るときに出る焼酎粕を使って、光合成細菌を培養する研究をしています」。話しながら、小さな試験管を見せてくれた古賀さん。中には、宝石のように美しい赤色の液体が揺れています。「この赤色が、光合成細菌が元気に活動している証なんです」。光合成細菌は、作物に有害な物質を餌に高等植物なみの光合成を行う異色の細菌です。農薬の量を減らしたり、農作物の生産量を増やすことができたりと、農業を営む人々にとっては心強い味方になる菌ですが、一般的な光合成細菌は高価でなかなか手が出ない農家さんも多いそう。そこで「焼酎粕を光合成細菌の餌にすれば、もっと安価に培養ができるのでは」と閃いた古賀さん、さっそく取り組んでみると想像以上の手応えが! 大学で専門分野の研究を続ける傍ら、自主研究としてプロジェクトをスタートしました。

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大好きな地元・球磨郡の力になりたい

球磨人吉地方の名産として知られる球磨焼酎。しかし、焼酎を造るためには倍量の焼酎粕が発生してしまい、その処理費用には年間2億円もの金額がかかってしまうのだそうです。「リサイクルにもお金がかかるし、販売価格も激安だと知って驚きました。少しでも付加価値を上げて、処理費をゼロに近づけられないかなと考えたとき、光合成細菌との組み合わせを思いついたんです」と話す古賀さん。「高価な光合成細菌を安価な焼酎粕で培養できることになって、蔵元さんも農家さんもすごく喜んでくれました!」と弾ける笑顔を見せてくれました。さらに、光合成細菌は土壌を浄化する力も持っているのだとか。「農薬や肥料を使うと、地下に硝酸性窒素という物質が溜まってしまい、せっかくの地下水が飲めなくなってしまうんです。光合成細菌は硝酸性窒素を分解する働きもあるので、野菜を元気にすると同時に地下水もキレイにしてくれるんですよ」。現在は、人吉や八代の農家を中心に販売を行っているほか、大量の流通を見込んで製薬会社での試験培養も始まっています。「私は球磨郡あさぎり町の出身で、焼酎蔵は幼いころから身近な存在でした。球磨焼酎や地元の自然を守るために光合成細菌を役立てることができたら、すごく嬉しいなと思います」。

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光合成細菌を世界へ!
“しあわせをもっと”届けるために

2目下の目標は海外進出。既にベトナムやタイといった東南アジア諸国を視察し、培養実験を始めているという古賀さん。光合成細菌の知名度を上げるため、さまざまなコンテストにも参加し、その画期的なビジネスが高い評価を受けています。「2017年は二度、文部科学大臣賞をいただくことができました。1人で始めたプロジェクトをここまで成長させられたのは、一緒に取り組んでくれる仲間がいるからこそ。的確なアドバイスをくださる教授や、高いレベルの環境で学ばせてもらえる学校、そして何より試行錯誤の日々をともに歩んでくれる仲間の存在には感謝が尽きません」。今後は、漁業や畜産業など、より幅広い分野での応用も予定しているといいます。「プロジェクト名の“Ciamo”は、日本語の“しあわせをもっと”という響きからつけたネーミング。私たちの研究や技術が、もっともっとしあわせの輪を広げられるように…。これからも体当たりでがんばっていきたいと思います」。稲や野菜といった一年草では確かな結果が出ているものの、まだ樹木では実験をしたことがないという古賀さん。「ハナウタカジツさんで実験させてもらえたら最高なんですけど(笑)」。新たなコラボが生まれるのも、遠くはないかもしれませんね。(聞き手/ライター 井関 麻子)

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今回お話をうかがったのは

株式会社Ciamo

古賀 碧さん

崇城大学 生物生命学部 応用生命科学科 修士課程
株式会社Ciamo 代表取締役 
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