酒蔵の5代目でもある女性が開いた
ちいさな県産酒バー
上通りアーケードから入った小路、小さなビルの片隅に居心地のいい酒場があります。その名も「Sake Bar 花らん香ろん(CARAN CORON)」。明治35年創業の酒蔵「花の香酒造」(熊本県玉名郡和水町)に生まれ育った、神田優子さんが営むお店です。
同酒蔵の5代目として伝統の日本酒や焼酎を受け継ぎ、女性にも好まれる日本酒といった数々の商品開発を手がけた優子さんが、実弟に経営を託し、この店を開いたのは2011年のことでした。
県内の酒&焼酎のおいしさを
地元の方に伝えたい
「酒屋さんや飲食店さんなど、いろいろなお店に商品をお届けするなかで気づいたのは、地元のお酒を飲めるお店が少ないこと。メニューに載っていたとしても、大半は県外のお酒ということも多かったんです」。
熊本県内には、10軒の清酒蔵と30を超える焼酎蔵があり、県内の清酒蔵が一堂に会する勉強会も行われるなど、蔵元同士の交流も盛んです。つくり手のひとりとして、自らの蔵はもとより各蔵元がどんな思いで酒造りをしているかを肌で感じていた優子さんは、地元における県産酒の認知度の低さに、もどかしい気持ちを感じていたといいます。
「地元の方にこそ、県産酒を飲んでいただきたい!」
“県産酒専門”というスタイルのBarを開いた背景には、そうした思いがありました。